キッシュを美味しく作るのは意外と難しいもの。表面はきれいに焼けているのに、中身がしっかりと固まらない…そんな経験はありませんか?
実は、キッシュがちゃんと固まらないのにはいくつかの理由があります。それを知ることでふわふわとした完璧なキッシュが焼けるかもしれません。
この記事では、キッシュが生焼けになってしまう原因と、それを防ぎながらおいしいキッシュを作るためのコツをご紹介します。
なぜキッシュの中身が固まらないの?
キッシュは材料を混ぜて焼くだけの簡単な料理に見えますが、実は外側はカリッとして中はふんわりと固まっている状態を作り出すのが意外と難しいんです。
何かが少しずれると、生地や中のフィリングが生焼けになってしまうことも。
特に、中のフィリングが固まらないと困ってしまいますよね。その原因と対策をここで一緒に見ていきましょう。
卵液と水分のバランス
キッシュに使われる主要な材料は卵、生クリームまたは牛乳です。これらの割合がおいしいキッシュを作る鍵となります。特に卵に対して生クリームや牛乳の量が多すぎると、どれだけ加熱してもキッシュは固まらないのです。
理想の割合としては、大きめの卵1個(Lサイズ:約63gから70g)に対して100ccの生クリームまたは牛乳を使います。18センチの丸型の型でキッシュを作る場合は、大きめの卵3個に対して生クリーム300ccが基本です。
キッシュを焼き始めてからでは、追加で卵を加えるのは難しいですが、できるなら未焼成の生地に卵液を足して再度焼いてみると良いでしょう。もし卵液を足すことができない程度に固まっている状態なら、今回はそのままで楽しむしかありません。
牛乳の脂肪分
キッシュを作る時、生クリームが手元になくて、普通の牛乳で作ることもありますよね。
生クリームを使わずに牛乳だけで作るのは問題ありませんが、低脂肪乳を使うとキッシュがうまく固まらないことがあります。豆乳やスキムミルクのように脂肪分が少なく水分が多い製品も同様です。
キッシュ作りが初めてであれば、できるだけ生クリームを使うことをおすすめします。生クリームがない場合は、脂肪分の多い牛乳を選ぶと良いでしょう。
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卵の量は適切に
卵をたくさん使えばキッシュがうまく固まると思うかもしれませんが、それも違います。卵の割合が多すぎると、触感がゴムのようになり、固くて噛みごたえのあるキッシュになってしまいます。
キッシュを作るときは、卵と生クリームの比率を守ることが大切です。信頼できるレシピを参考にして、慣れないうちは自分でアレンジを加えずにレシピ通りに作ることが、おいしく成功させるコツです。
具材の水分
キッシュを作る時、卵と生クリームまたは牛乳の割合が正しくても、キッシュがなかなか固まらないことがあります。その原因の一つに、加えた野菜からの水分が考えられます。特にホウレン草やトマト、マッシュルームなどは、調理すると多くの水分が出てきますが、この水分がキッシュの固まりに影響を与えてしまうのです。
これまでに、大きめの卵一個に対して生クリーム100ccと説明しましたが、大きめの卵一個が固められる水分量は約100~150㏄です。つまり、具材からの水分が多すぎると、どんなに加熱しても固まることはないのです。そのため、キッシュに追加する前には、できるだけ野菜から水分を取り除くことが大切です。
具材の水分を減らす方法
キッシュに使う野菜や肉を混ぜる前に、事前に調理して余分な水分をしっかりと取り除きましょう。
例えば、ホウレン草は茹でた後、水が出なくなるまでよく絞ります。
トマトは半分に切ってから、油を使わずに軽く焼き、キッチンペーパーで表面の水分を吸い取ることで、余計な水分を抑えることができます。
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オーブンの温度と時間
卵と生クリームの割合が適切で、野菜の水分もしっかり切っているにもかかわらず、キッシュが上手く焼けないのは焼き方に問題があるからかもしれません。オーブンは機種によって加熱の癖があり、設定温度と実際の温度が異なることもよくあります。
特に、温度が高くなりがちなオーブンや、熱が均等に行き渡らないオーブンを使っていると、外側は焼けているのに中心部が生焼けの状態になることがあります。
このようなオーブンで焼く場合は、レシピで指定された温度よりも少し低めに設定してみると良いでしょう。
キッシュを焼く基本の設定は、180度で40分です。この設定を参考に、お使いのオーブンに合わせて調整してみてください。
焼きたてはまだ固まっていないもの
キッシュを焼いた後に固まっていないように見えても、実はそれが普通かもしれません。
固まっていないとショックを受けているそのキッシュ、焼きたてではありませんか?
焼きたてのキッシュは、外側の生地がきつね色に焼けてカリッとしている一方で、中身はまだ柔らかく、とろりとした状態です。温度が高い内部は、しっかりと固まる前であり、中心部にはやや流動性が残っていることが多く、ゼリー状やプリンのような柔らかさですが、冷めるにつれて徐々に固まり、理想的な食感に変わっていきます。
オーブンから出したばかりのキッシュをすぐに切るのではなく、しばらく置いて粗熱を取ると、ちょうどよく固まります。この冷ます時間は、キッシュを型からきれいに出すための大事な工程でもあります。また、キッシュは焼いてすぐ食べるよりも、数時間寝かせてから食べる方が味が馴染み、各材料の風味がより引き立ちます。最低でも1時間は冷ます時間をとるといいでしょう。
アツアツで楽しむための温め直す方法
もし焼きたての温かさを楽しみたい場合には、オーブンを使って温め直す方法が一番適しています。オーブンを使うことで、キッシュ全体を均一に温めることができ、外側の生地をカリッとさせつつ、中身はしっかりと温めることができます。
具体的な温め直しの方法は以下の通りです。
- オーブンの予熱:オーブンを100℃〜120℃に予熱します。
- キッシュをアルミホイルでカバー:キッシュの表面が焦げすぎないように、アルミホイルで軽く覆います。
- 温める:予熱したオーブンで10分から15分程度、キッシュの大きさにもよりますが、内部が十分温まるまで温めます。
この方法では、オーブンの熱でキッシュ全体がゆっくりと加熱されるため、食感を損ねることなく、美味しく温め直すことができます。急いでいる場合は、電子レンジを使う方法もありますが、電子レンジは内部の水分が蒸発しやすいため、食感が少し変わることがあります。そのため、時間が許すのであればオーブンでの温め直しがおすすめです。
まとめ
キッシュを作る際は、まず卵、生クリームまたは牛乳の適切な比率が非常に重要です。特に卵に対して生クリームや牛乳が多すぎると、キッシュが固まりにくくなるため、注意が必要です。また、脂肪分の少ない豆乳やスキムミルクは避け、生クリームや脂肪分の高い牛乳を使用するようにしてください。
卵の量にも気を付けましょう。卵を過剰に使うと、キッシュがゴムのように固くなってしまいますので、信頼できるレシピに従って正確な量を守ることが成功の鍵です。
具材の水分管理も非常に重要です。キッシュに使用する野菜や肉は、事前に調理して余計な水分をしっかりと取り除く必要があります。水分を多く含む野菜は、キッシュがべちゃっとなる原因になり得るため、特に注意が必要です。
オーブンの温度と焼き時間の管理も忘れてはいけません。オーブンによって焼き加減が異なるため、温度や時間の調整が必要です。特に温度が高くなりがちなオーブンでは、レシピの指定温度よりも少し低めに設定するのが良いでしょう。
最後に、焼きあがったキッシュはすぐに食べるのではなく、少なくとも1時間以上寝かせてください。焼きたては中がまだ固まっておらず、冷ますことで適切に固まります。また、アツアツのキッシュを楽しみたい場合には、食べる直前にオーブンで温め直すのがおすすめです。
美味しいキッシュを楽しんでくださいね。